自家発電機
温泉余剰熱を使った自家発電設備として滝峡荘の山側には発電機が5基設置されています。
温泉井からは二層流になって蒸気と熱水が一緒に噴き出し、これを汽水分離器(セパレーター)という装置で蒸気と熱水に分けます。1~3号機のタービン発電機では蒸気を使って発電をし、4~5号機の発電機では熱水を使って発電をします。
温泉熱を利用する発電機は1台当たり135kWの発電が可能ですが、発電機に付属する補器の動力に10kWの電力が消費されるため、実際に発電機から取り出すことができる電力は1台当たり125kWです。5台の発電機によって合計625kWの電力が生まれます。
発電能力と自家発余剰
一般に、多くの発電所は自家発余剰といって発電所施設内でモーターや照明などに使用する電力を差し引いた残りの電力を供給しますが、滝峡荘施設内では様々な設備で165kWの電力が消費されるため、残り最大460kWの電力を地域内に供給しています。 滝峡荘の自家発電設備は、温泉由来の地熱を利用することによって、環境に負荷をかけない再生可能エネルギーを使った発電所となっています。
発電に使われた源泉は地中に循環
滝峡荘の源泉は地下800mから噴出していますが、噴出する蒸気と熱水が利用された後は、地下300mまで掘られた還元井(かんげんせい)を使って、源泉の流れを地下に還流させる仕組みになっています。
発電の仕組み=バイナリー発電機
滝峡荘の自家発電設備はバイナリー発電方式といって、温泉熱を、熱交換器という装置を使って一旦代替フロン(低い温度でも気化しやすいR25Faという液体)に伝え、その代替フロンの蒸気の力によって発電機のタービンを回し電気を起こします。